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1 はじめに
最強のボキャビル方法と言えば 英語上達完全マップのやり方 と思います。単語帳をひたすら力ずくに「回す」覚え方で、私も英検1級用のパス単でお世話になりました。しかし、最近ボキャビルを続けていて、このやり方の欠点が気になるようになってきました。具体的には、
- 日本語訳を覚える
- 音声を使わない
- 覚えてしまった単語も含めて繰り返すことになる
これらのついて見ていきます。
1.1 日本語訳を覚える
ボキャビルの際に日本語訳を覚えるのは、実は効率の良いやりかたです。普通の単語帳だと英単語一つに対して、日本語の訳語1〜2単語です。一方、英英辞典を見てみると、単語を説明するための語数が多いのです。ぱっと読んで意味がわからないこともよくあります。効率を追求するのであれば、日本語訳で覚えたほうが覚えるべき語数が少ないです。
しかし、一歩引いて考えてみて、これって本当に効率良いのでしょうか。英単語と日本語の単語では、意味の範囲が異なり、微妙なニュアンスが欠落してしまいます。英検やTOEICなどの試験対策であればこれで十分ですが、ネイティブが英文を理解するレベルを目指すのであれば、日本語を介在させるのは副作用が大きいと思います。
英語でボキャビルするのは、一見効率が悪いように見えますが、長い目で見ると英語に対するframe of referenceの広がりで十分カバーできると思います。
1.2 音声を使わない
ボキャビルも含めて語学の学習に音声を使わないのは、あえて効果の上がらない茨の道を行くようなものです。人間は目で見た文字からだけでなく、聞いたり、自分で発音したりしても覚えられます。文字情報でも音声でも自分で発音した記憶でも(あるいは更に書いたりタイプしたりも)、できればそれらの組み合わせで覚えたほうが絶対に記憶への定着が良いです。
しかしそれよりも更に重要なことは、正しい音とセットで覚えないと、聞き取れなかったり通じないので、後でもう一度覚え直す羽目になるという弊害が大きいことです。
1.3 覚えてしまった単語も含めて繰り返すことになる
直感的に考えてみて、覚えていない単語を集中して繰り返したほうが効率が良いです。現実的には、覚えてしまった単語には多くの時間をかけないので、前の2点ほどの欠点では無いのですが。
この点の難しいところは、「覚えてしまった」が絶対的な状態では無いことです。人は忘れます。覚えたての単語はすぐに忘れます。そのため、覚えていない単語に注力するとして、覚えた(筈の)単語も頻度は下がるものの、繰り返す必要があるのです。
2 ではどうすれば。。。
ではどうすればいいのでしょうか。
2.1 発音機能付きのボキャビルアプリを使う
音も使って覚えるために発音機能付き、そしてコンテキストを使って覚えるために例文の入れられるボキャビル用アプリやWebアプリをメインに使うのがオススメです。PCとスマホの両方で使えるものがよいです。
有名どころでは quizlet はなかなか良かったです。拙作の vocaBull(の解説ページ) も悪くないと思うので、よかったら使ってみてください。
2.2 自作の単語帳を作る
市販の単語帳は、覚えるべき単語のリストとしてのみ使います。もちろん、日本語の訳語は使いません。英語の例文は、自分にしっくりきて覚えやすいとは限らないので、やはり使いません。
結局、あなたの覚えるべき単語はあなたにしか分からないのです。自分で単語帳を作ることを面倒くさがってはいけません。知っている単語が7割ほど入っている単語帳を使うのが良い、という意見をどこかで読んだことがありますが、トータルの効率の点で、この意見には賛同できません。100%知らない単語からなる単語帳を作ってもいいのです。むしろ、それがあなたの注力すべき単語帳でしょう。
2.3 意味は英語で入れる
単語アプリには必ず英語で意味を入れます。短くて覚えやすい説明を探すことが、最初に苦労するところです。 もちろん、コンテキストを(も)使って覚えるために例文(の一部)を必ず入れます。
2.4 必ず音を聞いて、自分も発音する
ボキャビルをする際には、単語と例文を発音させて、それを真似て繰り返します。耳で聞いて、それを実際に発音することで覚えるようにします。ネイティブの小さな子供だって、そうやって聞いて声に出して覚えていくのです。英語の音が頭の中に出来上がっていない我々は、音とセットで覚えることがとても大事です。
2.5 アプリに作った単語帳は鍛える
練習していると、意味がしっくり来なかったり、覚えるべき説明が長すぎたりして覚えづらい単語が出てきます。そのような単語は再度Web検索して、自然に覚えられるようになるまで繰り返しアップデートします。これをやるために、スマホよりもPCを使ったほうが編集が楽と思います。
3 オススメのボキャビル方法
それでは、私が実践しているオススメのボキャビル方法です。私はもちろん自作の vocaBull を使っていますが、quizlet 等のアプリでも同じようなことができると思います。
3.1 単語リストを用意する
まずは覚えるべき単語リストを用意します。市販の単語帳でも何でもいいので、あなたのレベルに合ったものを使います。洋書や洋雑誌などから知らない単語をリストアップしてもよいですね。
3.2 アプリに入力する
ここが一番苦労するところです。単語をアプリに入力するのはいいとして、意味を <単語> meaning
のようなキーワードでWebを検索して、気に入ったものを探します。googleが出してくれる説明は比較的短くて使いやすいです。https://www.merriam-webster.com/ や https://www.vocabulary.com/ からの採用が個人的には多いです。
同時に、例文も探します。フルセンテンスで入れるのではなく、意味をなす最短のチャンクを使うのがよいと思います。
例えば、実際に私が使っている例ですが、
- 単語: elude
- 説明: evade or escape from
- 例文: to elude capture
まあ、平均的にはもっと長くなってしまいますね。。。
注意点として、英検2級またはTOEIC750に満たない人で、英語だけだとさっぱり、、、な場合は、日本語の訳語を追記したり、いっそのこと日本語訳のみにしないと辛くて続かないかもしれません。その場合は、もう少しレベルアップするまでそうするのがいいかも。私もたまに日本語訳を追記します。
3.2.1 一つの単語帳は100ワード前後で抑える
別に500ワードのアプリ内単語帳を作ってもいいのですが、一日にボキャビルできる量は限られているので、単語帳のサイズが大きすぎると十分な繰り返しが得られません。経験的には一つの単語帳を100前後にするのが効率が良いように思います。
できれば、その単語帳の中でも10単語くらいに絞って繰り返ししつつ、全体を進んでいくようにするのがいいです。quizletだとスター機能を使うのかな。拙作の vocaBull にはこの小さい単位の繰り返しと単語帳全体の繰り返しの機能が付いているので、工夫は不要です(宣伝)。
3.3 ボキャビルする
ボキャビルの際には、必ず単語を発音させます。それをリピートし、可能なら意味を言います。言えなかったら答えを見てやはり意味を言います。単語 → 意味を3回くらい聞いて発音することを繰り返し、例文に移ります。例文ももちろん3回ほど発音させて繰り返します。
最後にもういちど単語の発音 → 意味を行って、(とりあえず)覚えた、まだ覚えていないの判定をし、次の単語に移ります。
これを10単語ずつくらい繰り返すことをしつつ、どんどん進めて、単語帳全体も繰り返します。私の経験的には、5〜20回くらいでとりあえずOKとなり、それを更に何度も繰り返すことで完全に記憶に定着させていきます。
覚えづらい単語は再度検索して、よりよい説明や例文に修正していきます。その際に、vocabulary.comにあるようなわかりやすい説明を読むことも、記憶する(かつ、後で使う際の)助けになると思います。
3.4 ルーチン化する、すきま時間を使う
私は毎朝仕事前の30分をボキャビルにあてています(プラス30分のスピーキング練習)。スマホを使うとスキマ時間を有効に使ってボキャビルできると思います。
4 終わりに
というわけで、今回は私が実践しているオススメのボキャビル方法について紹介しました。改めて考えてみると、英語上達完全マップのボキャビル方法のポイントである(と私が思う)「ひたすら繰り返す」という点では、同じようなやり方なんではないかと思います。それでは、いいボキャビルライフを!