Daydreaming in Boston

Boston近郊のToastmasters clubでプレジデントになりました

1. はじめに

Toastmastersをご存知でしょうか。パブリックスピーキングとリーダーシップを学ぶための、非営利団体です。会費がかかりますが、基本的にボランティアで運営されるため、非常にコストパフォーマンスが高いと思います。

Toastmastersの活動は日本でもさかんで、日本にも多くのクラブがあります。日本語と英語のハイブリッドクラブもありますね。そういうところは、英語学習者がアウトプットの練習として参加していることが多い気がします。

私がアメリカの現地法人に転職するにあたって、地域に溶け込むための活動として、また現地で友達を探す目的で始めました。仕事でもプレゼンが必要なこともあり、既に3,4年ほど活動を続けています。去年Vice President of Educationになり、今年はなんとPresidentになりました。

2. Toastmasters活動について

私の属しているクラブでは、週に一度in-person(対面)とオンラインのハイブリッドミーティングがあります。夏休みの間など、会場となる中学校が閉鎖されている間はオンラインミーティングのみになります。

メンバーは年に3回以上スピーチすることが推奨されています。毎週メンバーの誰かがスピーチをして、それに対する評価(これもクラブメンバーがやります)を聞くことができます。多くの人が苦手とするパブリックスピーキングの練習を、フレンドリーでsupportiveな環境でできるのです。この、失敗が許される環境でスピーチ練習ができることが非常にありがたい。

逆に言うと、年に3回以上スピーチ練習をしなければ、Toastmastersをうまく活用しているとは言えないと思います。人によって、毎月スピーチする人もいます。そういう人はモチベーションが高く、スピーチもみるみるうまくなっていきます。他の人のスピーチやそれに対する評価を聞くことはもちろん役に立つのですが、結局は自分のスピーチが上手になることが目的ですから。

スピーチをしたり評価する以外に、参加者にはいくつかの役割があります。スピーチや評価の時間を測るtimer、ah, well, soなどのいわゆるfiller wordsがどれだけ使われたかをモニターするah-counter、スピーチ等での間違った文法、言い回しや、逆によかった表現をチェックするgrammarianなどなど。スピーチしない人もミーティングを活用する工夫が多分にあります。

ユニークなのはtable topicsで、そこではランダムなトピックで1-2分の即席スピーチをすることが求められます。例えば、今年の夏のプランは?とか、あなたの好きな本について話して、とか。用意してきているスピーチとは違って、即席で話さなくてはいけません。私のような外国人にとって、これが非常によい訓練となります。

3. 所属しているクラブについて

私の属しているクラブは、元々中国語学校の親たちが中心となって設立されたこともあり、中国系メンバーが7割を占めています。日本人は私一人です。参加しはじめの頃、ある中国系メンバーが両親の南京での体験を何回かに分けてスピーチしたとき、どういう態度で聞けばいいのか当惑したことを覚えています。今となっては笑い話ですが。

渡米して数年のため英語が上手でない参加者もいて、やはり英語力が不十分な私としては非常に居心地が良いです。このクラブはボストン近郊の裕福な市にあって、参加者が非常に高学歴です。英語が得意でない参加者でも、普通にDickensを読んでいたりします。エンジニアは意外と少なく、医療製薬関係者が多い印象です。

4. 会費について

Toastmasters Internationalに月に$10の上納金を支払う必要があります。そのほかはほぼ実費の会場代で、半年に計$70-120くらいのところが多いようです。

個人的には本部が取りすぎだろう、という気もしますが、これだけためになる活動に対してコストパフォーマンスという意味では、ほとんど最高レベルだと思っています。自己啓発セミナーなら数時間で数百ドルはあたりまえの世界ですから。

私の属しているクラブにも非常にプレゼンが上手で、的確なアドバイスを与えることができるメンバーが何人かいます。そういうクラブを見つけることができたら、あなたは非常にラッキーだと思います。あなたの成長のためにほとんど無償で練習の機会と貴重なアドバイスが得られるのですから。

5. 終わりに

正直に言うと、プレジデントは私には荷が重いと思っています。英語力の問題でそもそも自然には話せないし、人によっては言っていることがあまり聞き取れません。日本語でさえ、人前でスピーチすることが苦手です。

そんな私に新たな成長の機会を与えてくれたことに、とても感謝しています。せっかくなので、プレゼン能力とリーダーシップの向上に向けて、また一年頑張りたいと思います。