Daydreaming in Brookline, MA

Summer Reading 2024

7/12/2024 手動で復旧しました。なにか壊れているかも。。。

1 はじめに

今年は理由あって6月に1週間、8月に1ヶ月一時帰国の予定です。帰国中に買った本のラインナップが去年と似ています。書店では、気がつくと岩波文庫の棚の前に行ってしまいます。

2 読んだ本

2.1 小田嶋隆と対話する(内田樹)

一昨年までフォローしていた小田嶋氏のツイートに内田氏がコメントを入れて書籍化したもの。懐かしいです。内田氏のコメントはちょっとくどさを感じました。内田氏本人が前面に出過ぎ。

2.2 大学教育について(J.S.ミル)

気が早いですが、高校に入学する子供の将来を見据えて、大学に入る意味を知るために読んでみました。

一般教養が大学教育の価値であるような意見には賛同できませんでした。アタマの使い方は専門教育を通じてこそ学べるんじゃないのかな。現地で学んだ方が良いフランス語でなく、ギリシャ語とラテン語を学んで原語でプラトンなどを読むべき、は我々日本人には役に立たないアドバイスかも。せめて自分の専門分野で英語の原書を問題なく読めるようにならないと。

後半の個別教科の説明は退屈でした。

2.3 騎士団長殺し(村上春樹)

村上春樹ファンの昔の知人が、彼の小説はまさに自分のことを書いているよう(蕎麦の食べ方への拘りとか)、と言っていましたが、この本では私もそのような感覚を持ってしまいました。偶然にしては自分に重なることが多すぎる、と。

まあ、考えてみると、料理にしても音楽にしても具体的な描写が多いので、それらのいくつかが自分に当てはまると上記のように錯覚してしまうのでしょう。登場人物に感情移入するのとは逆方向の、個別描写の読んでいる私へのマッチング感というか。

肝心の物語は、1Q84以上、ねじまき鳥未満といったところ。相変わらず村上春樹には一気に読ませる力があります。かなり好きです。

2.4 史的システムとしての資本主義(ウォーラーステイン)

経済学にはいつもがっかりさせられます。一時、傾倒しかけたクルーグマンは、結局、何の洞察も与えてくれなかった(むしろ、単なる偏屈なおやじだった)し、本書も客観的な事実を元に組み上げられた論理体系というよりは、世の中を見る主観的な一つの視点という印象を拭えなかった。面白い観点はあるにせよ、それらが納得のできる具体的な事象に裏付けられていない。結局、経済学は数学や物理学、化学と違って、サイエンスとしては未成熟すぎるのだろうか。現状をもっともらしく説明することはできるにせよ、未来をある程度の確度で予言できない現状において、経済学はサイエンスにはならない。(そんなことは目指していないかもしれないけど)

これで900円(税別)は高すぎるんじゃないの、と思ったが、原書はamazon.comで$16(=\2,600)もするので、お買い得感がありました。

2.5 自選 谷川俊太郎詩集

詩はほとんど読まないのだけど、五味太郎と谷川俊太郎は好きな詩人です。この詩集では、ベートーベンとおならうたが好き。「かっこよすぎるカラヤン」が可笑しすぎる。

山田馨の解説がまた素晴らしい。何度もなんども共感しながら読みました。

3 買った本

3.1 支配について - I 官僚制・家産制・封建制(マックス・ウェーバー)

3.2 日本国憲法

連続テレビ小説「虎に翼」を家族で見ているもので。

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