Daydreaming in Brookline, MA

アメリカで健康診断

1 はじめに

前回のエントリーでは歯医者と歯科保険について書きました。今回は一般的な病院(ホームドクター)と医療保険について書きます。

2 ホームドクター

アメリカにはホームドクター(かかりつけ医)の制度(慣習?)があり、急患以外はまずホームドクターに行きます。年に一度の健康診断もホームドクターにやってもらいます。大きな病院には、ホームドクターから紹介してもらって行きます。

救急車を電話番号911に電話して呼び出すのはご存知と思いますが、アメリカでは有料で、$1000〜$3000も取られるようです。怖くて気軽には試せません。。

ホームドクターを予約する間もおしいけど、救急車を呼ぶほどでもない場合は、urgent careの診療所に予約せずに(ie, walk-inで)行きます。うちの家族がひどく捻挫した時はurgent careのお世話になりました。予約なしで行けるのはurgent careとERだけです。

3 定期健康診断の予約

定期健康診断はホームドクターにやってもらいます。出向中も年に一度の健康診断が義務でしたが、去年はCovidがあったのでしませんでした(しておけばよかった。。)。今年の5月くらいに、前回の出向の時にお世話になっていたドクターに健康診断をお願いしようとしたところ、事前リモート面談の予約が取れたのが8月でした。

8月にリモート面談を行い、やっと健康診断の予約が取れたのは11月末でした。最初に予約しようとしてから半年です。Covidのせいで、アメリカの医療界もだいぶ影響を受けているようです。その間に、転職して保険が変わってしまいました。

4 医療保険

アメリカの一般的な医療保険は日本のものと大きく異なり、えらく複雑です。まず、歯科保険と同様に、診断・予防は100%保険が出してくれます。。。と思ったのですが、政府の指定する基本メニュー以外の項目は私の保険では自己負担になります。この「基本メニュー」が曲者で、なんと血液検査もカバーされないようです(現在、保険会社に確認中)。

医療保険にもdeductibleの概念があります。私の保険(Anthem Bronze CDHP)の場合、保険自体を安くするために、このdeductibleが$5500に設定されていて、医療費が$5500に達するまでは100%自己負担です。これは診断・予防の費用は除きます。大きな病気や怪我をしたら結構痛いです。。。

deductibleの金額を超えてやっと保険が効き始め、annual out-of-pocket maximumの金額(私の場合$7000か$11000)を超えた分は全額保険が負担してくれます。

アメリカは医療費がとても高いため、頻繁に医者通いをするようになると、あっと言う間にこのout-of-pocket maximumに達してしまうようです。7年くらい前に子供の腕にできもの(cyst)が出来て、それを取り除く簡易手術をした時には、$10,000ドルもの請求が来てびっくりしました。日本の会社が提供する、日本の保険に似せた特殊保険のおかげで、自己負担は30,000円でしたが。

また、歯科保険と同様にin-network/out-of-networkの概念があり、in-networkな医者から治療を受けると安くなります。

5 健康診断

健康診断を受けるまでに、血液検査を実施して、大腸内視鏡検査(colonoscopy)の予約を取っておくように言われました。血液検査はQuest Diagnosticsというメジャーな会社の検査を指定されました。

血液検査くらいは保険がカバーしてくれると思ったのですが、しっかり一人200ドル以上請求されました。まじですか!? 血液検査はカバーされないのでしょうか??? 現在、保険に問い合わせ中です。なお、この$200+はディスカウト適用後の100%自己負担の価格です。最初の請求額はなんと$2000を超えていました。血液検査に2000ドルオーバーは訳がわかりません。ディスカウントで90%オフになるのも理解不能ですが、こちらは有り難いです。つくづく、日本の人間ドックは安くて優秀でした。

Colonoscopyは腸内を完全にクリーンにして行う検査です。数日前から準備が必要で、だいぶ大掛かりです。予約が取れたのが来年なのでまだ何も手を付けていませんが、今から憂鬱です。これは保険がカバーしてくれるのでしょうか。血液検査で200ドル強とすると、こちらは自己負担2000ドル近くになる気がします。さすがに定期健康診断に2000ドルは払えません。保険会社に適用可否と自己負担額を質問して、あまりに自己負担が大きいようなら医者に相談したいと思います。

それら以外の健康診断メニューはとてもシンプルです。体重と血圧を測り、舌を見て、前立腺をチェックし、おしりから何かを入れられて終わりです。

前立腺チェックはアメリカで初めて体験しましたが、ある意味衝撃的です。ドクターが私の下着から手を入れて睾丸を実際に触って確認します。女性の乳がんの触診みたいな感じと思います。

おしりから何かを入れられたのは、直腸がん検査のようです。いきなりでびっくりしました。

来年行うcolonoscopyを除いて、日本の人間ドックよりもずっと簡易なものでした。最後にB型肝炎の予防接種をして、帯状疱疹予防接種の処方箋をもらいました。アメリカでは一般的なのか、このドクターの方針によるのかわかりませんが、様々な予防接種を半強制的に受けさせられます。ついでに、眼底検査もやっておいてね、と言われて予約のための電話番号を渡されました。これらの保険適用はどうなんでしょうか。。。

6 後日アップデート(3/4/2022)

  • 定期検診の前のかかりつけ医とのリモート面談はしっかり請求され、保険は効かないとのことで二人分$250くらい取られました。ひどいです。。。
  • 血液検査は保険会社に確認した結果、無償になりました。やり取りに時間がかかり、3ヶ月くらいかかりました。
  • Colonoscopy検査は本人への請求は$10くらいでした。何に対する請求なのか、今ひとつはっきりしませんが、安いので放置しています。保険適用前の請求は1000ドル弱だったので、結構安い方だと思われます。
  • 各予防接種はこれまでのところすべて無償です。帯状疱疹(Singles)の1回目で翌朝38度くらいの熱がでました。副作用がきついです。後から副作用の説明を読んだら、6人に一人は発熱しているようです。仕事に差し支えないように、2回目は金曜の午後にしました。